某氏の学力について
敢えて名前は出さないが、X(旧Twitter)上で自身の学力について豪語している無職がいる。
その当人(以降、U氏と呼ぶこととしよう)の発言からして、豊田高専への合格を非常に誇らしく感じているようである。勉学に対する誇りは素晴らしいことだ。しかしながら、彼は何たる不運、豊田高専を一年次で退学してしまった。それからというもの、U氏は学歴コンプレックスに悩まされる悲しきモンスターに変貌してしまったのである。
たとえば、他の高学歴ツイヤーと同等の学力を有すると発言してみたり、怪しい計算方法で高専の偏差値を多く見せたり…。
数年ぶりのはてなブログ執筆となる本投稿は、そんなヒス持ち障害生き恥モンスターが何らコンプレックスを抱く心配は無いのだと解説する試みである。
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【目次】
一章:豊田高専の学力(入試)レベルの比較
二章:wakatte算の利用に関する諸問題
三章:総括
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【一章:豊田高専の学力(入試)レベルの比較】
豊田高専の学力は、検索すると次のように紹介された。
「豊田工業高等専門学校の偏差値は63~64と比較的高い水準を誇っており、偏差値ランキングでは愛知県内400件中31位、愛知県内国立では1位となっています。」*1
64程度である。なるほど、高い方である。
U氏はこの数値を友人と比較し、「高学歴三人衆。三人合わせても平均偏差値70」などと発言(2019年頃)するわけである。だがちょっと持てよ。それは暴論なのではないか。
なぜというに、上述の友人たちの偏差値は慶應義塾高等学校(偏差値76)や、濟々黌高等学校(偏差値73)だからだ。明らかにレベルが違う。
しかし、この数字を見たうえで三人合わせて云々の発言をしているわけだから、同程度の数値であると判断しているのだろう。
本章ではこの発言の誤りを数学的に証明しよう。
①平均と標準偏差
データ比較において、もっとも簡単で多用される手法なのではないだろうか。平均は母集団の合計をサンプル数で割った数で算出され、そのデータの凡その値を知ることができる。しかしここで重要となるのが「バラつき」であり、それは標準偏差を求めることで知ることができる。たとえ、平均値が同程度に見えたとて、バラつきが大きければその平均値は実際のデータとはかけ離れた数値といえる。
豊田高専 | 塾高 | 濟々黌 | 平均値 | 標準偏差 | |
偏差値 | 64 | 76 | 73 | 71 | 6.244998 |
実際に計算したものが上の表である。なるほど確かに平均値は70台となった。頭がよさそうだ。しかし標準偏差に注目してみよう。6.24という数値だ。標準偏差は0値がに近いほどバラつきが小さく、逆に1を超えると同程度のデータではないと考えるのが一般的だ。
だが、高校数学を了解している高学歴諸君ならば、有意差検定を行わずしてデータを語るなど傲慢な!という意見が聞こえてきそうなものである。なぜというに、この差はどこで生じているのか不明であるためである。つまり、76の値と64の値に差があるのか、或いは76と73の値にも差があるのか…。
それを計算したものが次の表である。
豊田高専、塾高 | 8.485281 |
豊田高専、濟々黌 | 6.363961 |
塾高、濟々黌 | 2.12132 |
それぞれを標準偏差を用いて比較した。塾高と濟々黌もそれなりに差があるようである。であれば、豊田高専が塾高に対し同等の立場を持つことは…些か無理があるのではなかろうか?
③多重比較検定
しかしながら、実際に有意差を調べるのであればT検定のようなことを行う必要がある。しかし、今回はサンプル数が少なく、母集団の数も三つだ。
上記の問題を解決するのが多重比較検定である。テューキー・クレマー法や、ボンフェローニ・ダン法などが有名なのではないだろうか。これら分析法は、大雑把に説明すると3つの母集団それぞれの比較をする検定法である。ところが、こういった検定は3つのデータで分析するようには作られていない。であれば、県単位でその高校のレベル(順位)を算出し、47都道府県の同じ順位の高校の偏差値を多重検定すれば、その県でのレベルが分かるのであり、高校の偏差値とかいう最初の模試を基に作成したあてにならない値を抜きにして比較することができるのだ!と、思い立ったのだが塾高は神奈川県1位、全国10位。濟々黌は熊本県2位、全国49位。この時点でそれなりに差があるとは誰しもが思うところであろうが、豊田高専は愛知県31位、全国747位。もはや比較する必要もないだろう。めんどくさくなったから、もう比較検定はやらない。時間をさく意味がない。
二章:wakatte算の問題点
U氏は大学入試のコンプを持つ者たちが理系に+10、国立に+10など加点するwakatte算なるものを高校(高専)の偏差値に足していたが、浪人は-10などの制約もあるので全く意味をなさない。しかも、他の氏が理系を選択していれば相対的に低くなることは明らかで、また、塾高に関しては63~64の偏差値で64と仮定した場合、足しても勝てない。
三章:総括
いかがだっただろうか。途中からは(比較する意味すらなく)執筆の気力がなくなるほどつまらぬ内容であった。U氏は他の諸氏とは学力レベルが全く異なるので、張り合う必要も、引け目を感じる必要もない。ただ現実を受け入れて、自分らしく生活すればよいのではないだろうか?そして、2人と比して、現在のU氏の社会的な地位が、実際に大きな差があった事を冷たく物語っているのである。
了